ほんの記録

読書日記など、とりとめもなく

依田高典『「ココロ」の経済学』(1)

『「ココロ」の経済学』って本を購入しました。 

 

発売直後に気にはなっていたんですが、本屋で手に取ってこんな文章を目にして思わずレジへ。

行動経済学の啓蒙書では、人間の行動の合理的ではない部分(限定合理性)が強調され、人間の面白い行動のエピソード集になっていることが多いのですが、本書では、経済学の起源から、必ずしも合理的とは言えない人間の感情的な側面が重視されたきたことを明らかにします。(P8)

確かに「行動経済学」という言葉を含むタイトルの本が増えだしてもう10年くらいは経つと思いますが、依田先生がおっしゃるとおり、本屋で手に取ってみても面白エピソード集になってるだけか「ビジネスに生かそう」みたいな内容の本がほとんどです。そして、面白エピソードとは言っても一度分かっちゃうと大して面白くもないんですよね。人間が不合理なのは当たり前じゃん、みたいな感じで。

その上「これまでの経済学は合理的に行動する個人というおよそ現実的とは思えない仮定の下に…」って決まり文句。確かにここ数十年に限ればそうかもしれません。けど、経済学200年超の歴史の中で行動経済学はどのような意味を持つのか、きちんと視野に入れて解説した本は見たことがありません。
(余談ですが難しい数式と格闘しながら西村ミクロなんぞをひいひい言いながら勉強した私としては従来の経済学が非現実的という理由だけで古い言われると軽くムッとしてしまいます。「そうだろうけど、もういいよその指摘」って気になってしまいます。)

でも、経済学の父、開祖とも言えるアダム・スミスはちゃんと経済学と心理学を結び付けた議論をしていたんですよね。それは少し前にベストセラーになった次の本に書いてあります。 

アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

アダム・スミス―『道徳感情論』と『国富論』の世界 (中公新書)

 

これがスミス思想をコンパクトに解説した(新書にしては厚いけど)すごい本で(なんか賞ももらってましたね)、人間の心理から出発して経済政策、国際秩序までを一貫した論理でスミスが論じていたことを説得力をもって描き出しています。 あまりのスケールの大きさに読んでいてクラクラします。

そして、今日買ってきた『「ココロ」の経済学』は、このスミスの系譜に行動経済学を位置付けているようです。読むのが楽しみ。

平易に書かれていますので最後までさらっと読めそうで助かります。

 

ミクロ経済学

ミクロ経済学